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痛風とは
突然ですが、皆さんは「痛風」というものを聞いたことがありますか?一般的に「風が当たるだけで痛い」とされるこの病気は、実際には高尿酸血症と呼ばれる病気によって生じる症状の一つです。
高尿酸血症とは、水に溶けにくい尿酸という物質が身体の各部に鋭い針状の結晶として溜まる疾患です。
この疾患は痛風だけでなく、腎臓で結晶が形成されると尿路結石を引き起こす可能性があり、高尿酸血症が持続すると動脈硬化に繋がり、慢性腎臓病などの腎臓疾患や心筋梗塞、脳梗塞のリスクも高まることが知られています。
痛風になった方はご存知かもしれませんが、通常、痛風は何もしなくても数日で改善する傾向があります。しかし、その背景には尿路結石や心血管疾患のリスクが潜んでいることもあります。そのため痛風や高尿酸血症について正しい知識を持ち、決して放っておくことなく適切な対処を行うことが重要です。
痛風の症状
以下の症状に当てはまる方は痛風かもしれません
- 突然、関節が赤く腫れあがり、激しい痛みが生じる
- 足の親指や膝、足首、手首、指などの末端の関節が痛む
- 食事後や朝方に痛みが強くなる
- 30代以降の男性でビールや魚卵が大好物である
これらの症状が現れた場合、高尿酸血症やその合併症である痛風の可能性があります。適切な治療を行い、痛風発作を抑制しましょう
痛風の陰にいる高尿酸血症
高尿酸血症とは
痛風の原因を「膝や足首などの痛くなる部分に尿酸が蓄積すること」と伝えましたが、通常、尿酸は尿と一緒に体外に排泄されます。つまり尿酸の作る量が増えていなくても排泄機能に異常が起きていた場合や、排泄機能に異常が生じていなくても尿酸の作る量が増えること、もしくはその両方で高尿酸血症になり、その結果痛風になることがあります。
高尿酸血症の原因
高尿酸血症の原因は「尿酸の作る量が増えている」または「排泄機能が低下している」のどちらかもしくはその両方が考えられます。
尿酸の作る量が増えている要因としては、下記の項目があります。
- 筋肉痛が起きるほどの激しい運動を日常的に行っている
- お酒の飲みすぎ
- 早食い・大食い気味である
- プリン体を多く含む食べ物(レバーなどの赤身の肉、魚卵)や飲み物(ビールなど)を好んでよく食べる
排泄機能を低下させる要因としては、下記の項目があります。
- お酒の飲み過ぎ
- 水分不足
- 肥満体型
- 高血圧・糖尿病などの生活習慣病を患っている
尿酸の原因物質
プリン体という物質をご存知でしょうか?ビールのCMでよく耳にする「プリン体0!」とは、そのプリン体です。プリンと言われても、それはデザートのプリンとは無関係で、私たちの身体の設計図であるDNAに関連しています。DNAは「プリン塩基」と「ピリミジン塩基」の2つの物質で構成されており、そのうちの「プリン塩基」がプリン体です。要するに、DNAを含む食品を摂取すればするほど、プリン体を摂取することになります。DNAは細胞1個ごとに含まれているため、同じ重量でも、ダチョウの卵といくらの卵ではDNAの量が異なります。そのため、魚卵は高尿酸血症や痛風の原因とされています。
高尿酸血症の基準とは
尿酸の管理には「6-7-8の法則」が適用されます。尿酸値が6.0mg/dl以下であることが目標とされ、7.0mg/dl以上の場合、高尿酸血症と診断されます。尿酸値が8.0mg/dl以上の場合、治療に服薬が必要とされます。
痛風の改善のためには
お薬を飲む内服治療と生活習慣の改善による治療を施します。予防のためには、生活習慣の改善をはかりましょう。
先ず第一に
高尿酸血症を疑われた場合、あるいは健康診断などで尿酸値が6.0mg/dl以上であった場合、お気軽にソラーレクリニック太子までご来院ください。また、痛風と診断された場合、高尿酸血症を治療することを検討しましょう。
食事のポイント
- レバー類などの肉類・内臓類、魚卵、赤身の魚、一部の健康食品、エビ類、ビール等のプリン体を多く含む食事を控える
- 水分をたっぷりとる
- ヨーグルト、牛乳などの乳製品を食べる
- クエン酸が多く含まれる柑橘系の果物を食べる
高尿酸血症の検査とは
血液検査
血液検査により血液中にある尿酸の濃度を計測することができます。
- 男性の場合:3.4~7.0 mg/dL
- 女性の場合:2.4~6.0 mg/dL
尿検査
尿検査により尿酸の過剰産生または排泄不足を判断します。
その他の検査
高尿酸血症は動脈硬化の危険因子の一つです。動脈硬化は脳梗塞や、肺塞栓、心筋梗塞などの命に関わる重大な疾患の要因となります。そのため高尿酸血症を予防することはもちろんですが、動脈硬化を予防することも必要不可欠となります
心電図
心電図検査は、動脈硬化が引き起こす心疾患である心筋梗塞や心臓の異常なリズムを検出するのに役立ちます。『ソラーレクリニック太子』では定期的に心電図検査を行い、病状が進行していないか評価を行います。
ABI検査・頸動脈超音波検査
ABI検査は特に下肢の血管の状態を判断する検査で、頸動脈超音波検査は頸動脈における動脈硬化がどの程度かを調べる検査です。いずれの検査も動脈硬化によって引き起こされる血管の変化を、身体に負担をかけることなく調べることができます。検査によって血管の詰まりやプラークなどの動脈硬化所見が見られる場合、病状が進行している可能性があります。